絵付師
絵付師(えつけし)という、あまり耳なれない職業。絵付はチャイナペインティングとも呼ばれ、器や陶磁器にデザインや意匠をほどこす技術です。これにたずさわる技術者こそ、絵付師といわれる人たちです。絵付はたんに陶磁器に絵を描いてゆけばいいというものではなく、それぞれの器(うつわ)のもつ芸術的なオリジナルデザインをよりきわだたせるという、高度な技術が要求される作業であるといえます。
絵付師になるためには、やはり美術系の知識を専門的に学んだ経歴があると有利です。現在、絵付師として活躍している人たちにも、美術系の大学や専門学校の卒業生が多く存在します。また、窯業専門学校や窯業大学校などに入学し、絵付や窯業の基礎や知識を学ぶのもよいでしょう。絵付師になるために必要な資格には、国家資格である技能検定に陶磁器製造技能士の絵付分野というものがあり、自分の技術や能力を客観的に評価するものとして有効です。この資格の保有者でなければ、陶磁器製造技能士を名乗ることはでないため、独立開業や就職・転職に非常に有利な資格であるといえるでしょう。ただし、絵付は基本的に芸術の領域に属する仕事。資格の保有以上に、美しい意匠を実現できる技術と経験こそが、絵付師としてもっとも重要な要素ではないでしょうか。
絵付師として働く場合、最初は有名な絵付師の弟子になる、窯元にはいる、などの方法のほか、一般企業の食器メーカーに就職するという道もあります。ただし、最近の食器製造業界においては、印刷による大量生産がおこなわれているため、企業における絵付師の需要は減りつつあります。絵付を地域の伝統工芸とする佐賀県の有田などでは、絵付師の需要もそれなりに存在しているようなので、どうしても絵付師になりたい人は、これらの場所に修行に向かうのもよいでしょう。もっとも、他の芸術・職人系の職業と同じく、見習い時代の苦労と収入面での厳しさは、覚悟しておく必要があります。また、独立しても絵付の技術のみで活躍してゆくのはなかなか困難。陶芸作家として活躍するかたわら、絵付も手がける人も多いようです。
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