大道芸人
路上や露天市場であざやかなパフォーマンスを見せる大道芸人。周囲の空気をなごませ、その場に活気をあたえる彼らの芸に、観客はおしみない賞賛を送ります。大道芸人というと、ジャグリングやパントマイムといった欧米風のモダンな芸の印象も強いのですが、これはもともと日本に古くからある職業のひとつ。バナナのたたき売りやガマの油売り、チンドン屋さんなども大道芸人ですし、われらがフーテンの寅さんも、仕事としては似たようなことをおこなっています。
大道芸人になるのに、もちろん資格はいりません。ただし、普通の宴会芸くらいのレベルで路上に出ても、足をとめて見てくれる人はほとんどいないはず。事前の修練は必須です。ひとりコツコツと驚くべき技を編みだすのもよいですし、有名な大道芸人に弟子入りしたり、大道芸一座に所属するのもいいでしょう。また、東京都にはヘブンアーティストと呼ばれる大道芸人のライセンスが存在します。これはけっして必須の資格や免許といった性質のものではありませんが、取得を目標にワザを磨くのもいいかもしれません。
ほんらい、観客からもらう「おひねり」を収入とするはずの大道芸人。しかし、日曜大工的な趣味での活動ならともかく、本業ならそれだけでは食べてゆけません。実際のところは、パフォーマンスグッズやCD・DVDを観客に販売することによる収入のほうが大きいようです。また、モデルやコンパニオンと同じく、大道芸人の派遣事務所というものも存在します。これらに所属して仕事をした場合、もちろん事務所から相応の給与が支給されることとなります。大道芸人は、テレビなどで紹介されるほどブレイクすれば、あとはほとんどタレントと同じようなあつかいになることもあり、高給を手にできる可能性もあります。とはいえ、収入や身分保障の面にこだわる人は、はじめからプロの道をこころざすべきではないでしょう。
アメリカやフランスなどとは違い、路上でのパフォーマンスに冷ややかな対応をとられることも多い日本。実際にストリートで演技をする場合には、観客を集めることのほかに、行政や警察への対策にも心をくだかなくてはなりません。専業でやるにはかなり厳しい仕事ではありますが、あらゆるものに束縛されない自由な生きかたを志向する人などには、大道芸人は非常に魅力的な職業であるともいえるでしょう。
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