年の瀬のニュースでは、京都南座でおこなわれる顔見世公演関連のニュースがながれます。独特の書体で役者の名前書いた「まねき」がかけられる光景は年末の風物詩。歌舞伎は日本の伝統芸能のひとつとして、国内だけではなく海外でもよく知られている存在です。これを演じる俳優には、我が国の伝統文化の継承者としての責任も課せられるといえます。
歌舞伎俳優になるために、特に資格試験などはありませんが、勝手にこの職業につくことはできません。歌舞伎の俳優になるには、世襲によるもののほかは、国立劇場に付属している伝統芸能伝承者養成所に入学して基礎から学んでゆく必要があります。2年に1度、中学卒業者から23歳までのものを対象に1〜3月にかけて募集がおこなわれます。応募者には3月に簡単な面接試験や実技試験がおこなわれ、4月に研修や適性検査がおこなわれます。適性検査に合格すると、3年間の研修生活の開始。ここで歌舞伎役者として必要なスキルを習得していきます。
しかし、養成所出身者は、おさないころから歌舞伎の英才教育を受けている歌舞伎俳優の息子たちにくらべると、どうしてもハンディがあるらしく、有名な歌舞伎俳優になることは難しいようです。例外的に、市川猿之助氏が主催するスーパー歌舞伎に参加するのもひとつの方法。ただし、こちらは養成所出身の志望者がかなり多いため、採用はかなりの狭き門です。あきらめることなく努力を続けることが大切でしょう。
歌舞伎俳優の仕事は、歌舞伎を演じること。毎月さまざまな劇場で公演がおこなわれているので、いったん劇団に所属するところまでゆけば、コンスタントに仕事は存在します。有名な歌舞伎俳優になると、テレビや映画に出演する機会もあるでしょう。さらには、海外の劇場から講演を依頼されることも少なくありません。下積みや端役(はやく)であれば、収入的にはけっして恵まれるとはいえない職業ですが、伝統文化の継承者として日々の精進(しょうじん)にはげむ姿勢が求められるといえます。