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ろうそく職人
仏事などがおこなわれているなか、闇のなかをゆらゆらと暖かい炎の明かりでてらしだす。そんな和ろうそくを作っているのが、ろうそく職人と呼ばれる人たちです。彼らは専用の工場や工房で、美しい和ろうそくを丹念に作りあげていきます。
ろうそく職人になるために資格や免許は必要ありません。ろうそく職人になりたければ、ろうそく工房の職人に弟子入りしなければなりません。そして先輩や師匠から長い時間をかけて指導を受けながら経験を積み、一人前の職人を目指します。3年かかってやっと売りものになるろうそくを作れるようになり、一人前になるには最低10年は必要という、気の遠くなるような世界です。努力とともに忍耐強さも必要となるでしょう。
和ろうそく職人は、1本のろうそくを作るほとんどの行程を1人でおこないます。ろうそくの芯に溶かした木蝋(もくろう)を染みこませるのにはじまり、粘土状のロウをまわりに塗りつけ、もっとも外側には溶けにくいロウを塗りこむ。最後に余計なロウを削り取って頭から芯を出すまで、1本の和ろうそくが完成するのにかかる時間は最低でも2日以上。気の長い作業が続きます。
ろうそく職人は、代々の家業として受け継がれていくのが一般的です。修行期間内は売りものを製造できないため、賃金も支払われることがない点も、そのおもな理由となっているようです。また、もともと伝統的な工房を持っているなどでなければ、あらたに取引先を見つけだす必要があることも、新規参入が困難な点のひとつ。これらの理由から、この職業で食べていくには工房を所有している職人の後継者となることが必須条件であるといえます。ちょっと興味がある、といった程度の気持ちでは続けることは不可能でしょう。しかし、非常に古い時代から脈々と受け継がれてきた伝統工芸を守りつたえることができる点は、非常に魅力的。職人と呼ばれる人がすくなくなっているこの時代、あえてこの道に踏みだして、伝統のにない手となるのも悪くはありません。
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